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#13 紡ぎ愛結ぶ声響け

ロキの力を持つ解斗と対峙する二人。しかし、強大な力を前に苦戦を強いられる。
紡は力を求める。大切な人たちを守る力を。
すると、解斗が持っていたギアが輝きを放ち始める。

『呼んで』
心の中にたしかにそう聞こえた。
そしてありったけの力を込めて、紡は歌う。
ギアを纏うことに成功した紡も解斗を止める為に戦う。

三人の力を持ってしても、なおも押される。
「諦めなければ、必ず手立てはあります…。私は、諦めない!!」
そう叫んだ紡から光が放たれる。
そして、先ほど聞こえた声が紡だけに聞こえる。
『よく言ったわ紡。力を貸しましょう』
太陽神・ルーと名乗った彼女はずっと紡の心の中に宿っていた。
ただ、干渉することなく、人の営みを観察するだけだった彼女は、同じ神であるロキの暴走を止めるべく力を貸し与えると言った。

絶唱のエネルギーをキーに真琴に埋め込まれた聖遺物『ニーベルングの指環』を起動。
ルーの魂を代償にクラウ=ソラスで再分配、エネルギーを3人へ与えるという提案。
「そんなことをしたら…あなたがっ!!」
『いいの。私は十分生きたわ。これが出来なかったら世界が滅ぶ。』
『大切な人たちを守るのでしょう…?』
迷いながらも、覚悟を決めた紡は二人に伝え、実行する。

紡ぎ結ぶ声音は流るる星の如く

巨大なエネルギーに翻弄されながらも、繋いだ手のぬくもりを感じていた。
暖かな場所を、大切な人たちを守りたい。
それぞれの決意を胸に、力を制御し、エクスドライブへ移行する。

戦いながらも、兄の身を案じる紡。
なおも、紡を手に入れようと足掻く解斗。
そして彼女は武器を捨て、解斗に近づき、抱きしめた
「兄さん。もう、私は大丈夫だよ。私も兄さんを守れるから」
先程までの鬼気迫った雰囲気から穏やかな表情へと変わる解斗。

その時、島が激しく揺れ始め、ところどころ崩壊している。

大樹のエネルギーが解斗の制御を離れ、暴走を始めている。

このまま暴走が続けば、ここを中心に都市部が消滅するほどの爆発が起こりえる。
解斗は自身に残った神の力で島を隔離空間で覆い、外部から空間ごと消滅させることを提案する。
「紡はもう一人じゃないからね。大丈夫だよね」
そう言い残し、3人を島の外へ転送。隔離空間を生成した。

迷いながらも、3人分のエネルギーを束ね、空間ごと島を破壊した。

時鐘解斗および邪神ロキの関連した事件。のちに『神々の黄昏-ラグナロク-事変』と称された事態は収束した。

大樹・ユグドラシルを消滅させた後、付近を捜索したが、時鐘解斗の姿は見つかることはなかった。

ただ一通の小包が紡の元へ届く。
そこには綺麗なハートのネックレスと手紙が入っていた。

親愛なる妹へ。
誕生日おめでとう。

兄より

それだけが書かれた手紙だった。


超常災害の脅威が去ったわけではなく、それぞれの日常を送りながらも、装者達は日々戦い続けている。
夜空を彩る星達のように、美しい光を放ちながら。